1. 画家という道へ
―
デザインフェスタお疲れ様でした。
今回はこの機会にお時間をいただいてありがとうございます、これからインタビューですが、よろしくお願いします。
さて、まず初めにAOYAGIさんが絵を描くことになる、そしてこの道に入っていくきっかけというのは何だったんですか?
A
子供の頃から絵は好きだったのが一番の原点かもしれないですね。
小学校に上がる前から暇な時は紙に何か描いてれば静かにしているという感じだったので、ペンをもって何かを描くということに関して、小学校に上がるとほかの子に比べるとうまく描けるという感じでした。
うまく描くと、やっぱりほめられて調子に乗らされたれりもして、そうするとますます下手に描くわけにはいかなくなってしまって、それででどんどん描いていたっていうことが、原点かもしれません。
―
小さい頃から絵を描くのが好きだったんですね。
その後、今に至るまでの過程の中で、段々と本格的にやっていこうと思われたと思うんですけど、そういったところでは何かありました?
A
大学に入って、絵を描いてゼミの先生に見せるというのを定期的にするようになったんですけど、芸大ではなかったので、四年になって就職活動をする時に自分はどうしたいんだろうと考えたんですね。
その時に、一回、何の道もない絵描きという道を、絵を職業にするという道を選んでみようと思ったんです。
それでゼミの先生に「絵描きになりたいんですが」という話をしたら、「それなら、一回基礎からやってみるのもいいんじゃないか」という話になり、デッサンだけを勉強する環境で、石膏デッサンと人体デッサンを三年ほど集中してやりました。
2. 油彩画
―
ところで、AOYAGIさんはどうして油絵を選んだんですか?
A
きっかけみないなものはないんですよ。
高校生の時に美術を選択していて、たった一枚だけ完成した作品があったんですね。
その時に買った絵の具セットが残っていて、大学時代に絵を描こうと思った時に、その絵の具セットを出してきたのが最初ですね(笑)
あとは、よくある話ではあるんですけど、モネとかああいう印象派といわれるような絵が、何がいいのかは分からなかったんですけどなんとなく好きで、ああいう昔の絵は大体油絵なので、自分もあんな感じで書けたらなと思ったのもあります。
3. 絵を描くということ
―
さて、ここでちょっと深いことを聞いてみたいんですが、AOYAGIさんにとって絵とはどんなものですか?
A
自分が得意だと思えること、一番好きなこと、そしてずっとやっていきたいと思えるような、そういったものですね。
それと、絵描きというのが、自分がやりたいことに限りなく近いことで、収入を生むかもしれない職業として見た時にもとても魅力を感じいるものでもあります。
プロ野球選手が野球をやってそれで稼ぐように、絵描きというのが、自分の好きなことの延長線上にあるのがすごく魅力に感じますね。
なかなか答えになってないですけど(笑)
―
いえいえ、そんなことはないです(笑)
漠然とした質問をしてしまったので。
A
仕事というものを考えた時に、普通ならまず絵描きになろうという選択肢はないと思うんですよ。
例えば就職活動をして営業マンになるとか色んな候補があがったと思うんです。
でもその中に絵描きというものがあったというだけで、ものすごいことだと自分で思える。
そう思えるこの自信はなんだろっていうふうに。
それで、周りがみんな就職活動をしている時に、絵描きという職業に一回チャレンジしてみようかという感じです。
みんな無理だって言いますけどね(笑)
4.絵を描くなかで
―
さて、今回は再度デザインフェスタ出展ということで、これまで個展やデザインフェスタ等々、活動を通して何か心境の変化や感じているものはありますか?
A
一番最初に初めて個展をした時、作品もそんなにないのに個展を先に申し込んだんです。
その個展に向けて自分流の何かを作っていかないといけなかったので、その時に、自分のオリジナルって何だろうということを本当に真剣に考えたんですね。
それまでは、誰かに見せてる時は、モネっぽくても誰も文句は言わないけど個展となったら自分一人のもので、責任重大ですからね。
自分らしさを出すって一体どういうことなんだろうということを、そんな単純なことをそこで真剣に考えだしたというか。
そこかからかもしれないですね、そこで大分変わりましたね。
その最初の個展でも友達とか知り合いのお母さんとかが作品を買ってくれたりしたんですけど、何点か作品が売れたことでも当時は大変な責任を感じたんですね。
絵は食べてなくなるものではないから、買ってくれた人の家にずっとあるわけじゃないですか。
本当にいいものを出さないといけないと思いました。
次の年も同じ会場で個展を申し込んだんですけど、一年後また来てもらう人に対していい作品を出さないと顔を見せられないですよね。
適当に描いたもの絶対置いて待っていられないじゃないですか。
一番最初に個展をやって時に思ったのは、わざわざ自分のために足を運んできてくれたということ、そういうあたりまえのこともすごく嬉しかたったですね。
A
幸せなことに一回目の個展で、一週間で四百人も来てもらったんですよ。
A
考えられないくらい友人とか知人が宣伝してくれたりして。
そういうことも含めて、余計にちゃんとした絵を描かないといけないなと。
「ちゃんとした」といっても、絵にちゃんとしたも何もないかもしれないけども、見た人が何か感じてくれてまた次も見たいと思うような絵を描かないとということを、真剣に考えました。
それが、心境の変化ですね。
東京のデザインフェスタでも毎回顔を出してくれる人もいますし、そういう人に見せたいからまた新作をもってきたりとか、葉書を増やしたりとか、そういったことが、自分の後押しになってるとこが多いですね。
―
なるほど。
そういう自分も、AOYAGIさんの絵の世界に引き込まれてしまった一人であるわけですが(笑)
5.メッセージ
―
さて、最後にAOYAGIさんの絵を好きになってくれた方や、インタビューを通して初めて知るかもしれない方などへ、何かメッセージがあれば。
今後の活動に関しでもいいですし。
A
今後についての活動とすれば、第一の目標が、一生絵を描いていきたいということ。
それと、絵もずっと今のような感じでいくのではなくて、それを後で振り返った時に、その年毎に、常に絵が変わっていくような画家になりたいというか、「この絵は何歳の時に描いている」っていうことを、周りの人が見ても分かるような変化をどんどんしていけたらなと思います。
―
自分自身の変化が見えるような絵を描いていきたという感じですね。
A
そうですね。
あの、受け入れられた絵を棄てるのってすごく絵描きとしては怖い話なんですよね。
みんながこういうほのぼのとした絵を期待するんだなという時に、それを越えるくらいのものを出していい意味で裏切っていきたいです。
「全然違うけど面白い」って言ってもらえるくらい、チャレンジしていきたいですね。
沢山描いてると、だんだんとこう描けばこういうふうになるというのも自分の中でもパターン化されてしまうんですね。
そうするともう、自分としても面白くないので、面白くないってことはきっと何かが伝わらないというか、何か入らないですよね、気持が。
その時は勇気を出して変化できたらなと思います。
だから楽しみにしていて下さい。
―
そうですね、これからの変化がすごく楽しみであるような、そんな風に感じますね。
ありがとうございました!
はじめに、デザインフェスタ直後のお忙しい中、本インタビューのためにお時間を割いて頂いた AOYAGI さんに、心よりお礼申上げます。
インタビューの際には、何気ない雑談なども交え、インタビューする側としてもとても楽しく実施させていただくことができました。本当にありがとうございます。
デザインフェスタでは原画も展示、AOYAGIさんご自身の紳士な魅力とともに、原画そのものの良さを一際感じ取ることができました。
本インタビューが、より沢山の方に、AOYAGI さんとそのご作品を知っていただく一機会になれば幸いです。
「ふと見上げると 私の部屋には いつもその絵がある」
皆さんが、そんな絵に出会えることを願って。
2005.12.12 WC OWNER N.